E335年からE370年まで続いたE16文明圏の最盛期で、フェルミ音楽理論の完成、nトークン経済の確立、AURALIS第一世代の黄金時代を包含する。この時期、フェルミ音楽は単なる芸術形式を超えて、惑星間通信の符号化や医療治療への応用など社会的基盤技術として機能した。AURALISの「光と音を永遠にする」という理念は文明全体の文化規範となり、建築、服飾、都市計画に至るまで音響的調和が重視された。nトークン経済システムもこの時期に急速に普及し、物質的富だけでなく文化的貢献や知識の共有が経済的価値として評価される画期的な体制を構築した。しかし黄金期の過剰な楽観主義は内部の構造的矛盾を隠蔽しており、E370年以降、ZAMLTの台頭によってこの調和は急速に崩れていくことになる。 このセリア黄金期の根底には、防衛的加速主義(L1)と第2のゲーム(L3)の思想的地層が横たわっている。覇権競争に巻き込まれず、文化創造によって文明を守った先例として、この時代はL1の「防衛的技術」理念の萌芽を示している。軍事的拡張ではなく知的・文化的到達によって他文明との関係を構築したセリアの選択は、オムニウィン構想の先駆けとしてL3の思想的系譜に位置づけられる。